概要
マチゴトは医療の専門家を囲んで、身近な健康に関する理解を深める「地域健康フォーラム」を毎月開いている。これまで胃がん、大腸がんに焦点を当て、専門医ならではの最新治療情報などを伝えてきた。今回は、「大腸がんとはどんな病気か」「健康な腸とは?」といった腸に関する基礎知識や、病院選びなど地域医療について学ぶ場となる。
レポート
「マチゴト豊中・池田」が主催した地域健康フォーラムが5月26日、豊中市玉井町1、とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」で開かれた。市民ら35人が聴講した。
本間太郎・豊中緑ヶ丘病院長が講師を務め、大腸がん治療の基礎知識や、術後の化学療法についてわかりやすく説明した。また腸内の善玉菌と悪玉菌についても話し、「おならが臭いのは悪玉菌が原因。善玉菌を増やすために、ヨーグルトや漬物などを食べて」と、食生活が腸の健康を左右すると訴えた。
質疑応答の時間には、腸に関するさまざまな質問がった。ある女性が「普段から食物繊維を取ることを心がけているが、便が細くなった気がする」と話すと、本間さんは「食物繊維は発がん性物質をからめ取ってくれる。ただ、多すぎると便が硬くなるので、水分も同時によく取ること。適度な運動をすると排便もスムーズになります」と答えた。
また80代の男性からは「医者からアルコールを禁止されたことがない。私が年だからあえて言わないのか」と質問されると、「アルコールは発がん性因子なので、リスクは高くなる。お酒が好きな人にとっては禁止するとかえってストレスになるので、あえて言わないのかもしれない。ビールをやめてワインを飲む、量を減らすなどの工夫をしてほしい。ただ、抗がん剤治療中は肝臓に負担がかかるので、アルコールは禁止」と話した。
参加者からは「わかりやすかった」「質問のコーナーが特に楽しかった」などの声が聞かれた。(早川方子)
イベント詳細
本間太郎・豊中緑ヶ丘病院長を迎え、豊中市玉井町1、とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」で午前10時から開催する。本間さんの話の後は、参加者が自由に質問できる質疑応答の時間を用意している。近年増加している大腸がんの正しい知識を身につけ、生活習慣を見直すきっかけになることが期待される。